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公務員試験を受ける上で民法と並んで苦手とする人が多いのが経済学です。

そもそも数学が苦手だから経済学なんて理解できるわけがない

と諦めている人もいます。

しかし誤解されがちですが、数学での知識はあまり必要なくパターンの計算方法を覚えるだけで簡単に解ける問題が多いんですよ。

この記事では、公務員試験の経済学とはどういうものなのかや頻出範囲、勉強方法などについて解説します。

公務員試験の経済学とは

まずは経済学とはどんな科目なのか解説します。

経済学はとても分量の多い科目で、ミクロ経済学とマクロ経済学に別れています。

ミクロ経済学は家庭や企業の視点で経済活動を分析し、マクロ経済学は国レベルでの経済活動を分析します。

ミクロのほうが扱う範囲が狭くて、マクロのほうがより大きな範囲の経済を扱うということですね。

ミクロ経済学は大きく分けて6つの分野に別れています。

  1. 消費者理論:最適消費点と無差別曲線、代替効果と所得効果、上級財と下級財、需要の価格弾力性、期待効用
  2. 生産者理論(完全競争):利潤最大化と費用関数、損益分岐点と操業停止点、長期均衡、生産関数
  3. 生産者理論(不完全競争):独占、複占、寡占、ゲーム理論
  4. 市場理論:市場の安定、余剰分析
  5. パレート最適と市場の失敗:パレート最適、外部効果、平均費用逓減産業、情報の不完全
  6. ミクロ貿易論:比較優位論、貿易論

そしてマクロ経済学は5つに分かれています。

  1. 国民所得の決定:45度線分析、IS-LM分析、マンデル=フレミング・モデル、消費関数、投資関数、貨幣理論
  2. 乗数理論:乗数理論の基本、IS-LM計算
  3. 総需要-総供給分析:総需要曲線、労働市場と総供給曲線、フィリップス曲線と自然失業率仮説、インフレ需要曲線/供給曲線
  4. 経済成長理論:ハロッド=ドーマーの経済成長理論、新古典派の経済成長理論
  5. GDP:GDP統計、ISバランス、物価指数、産業連関表

何が書いてあるかさっぱり分からない…と思うかも知れませんが、最初は誰でもそんなもんです。

僕も最初はさっぱりでしたが、根気よく勉強を続けたら8割くらいは取れるようになりました。

諦めないことが大事!

ミクロ経済学とマクロ経済学は合わせると全ての試験科目の中で最も出題数が多い科目となっています。

経済学は専門試験全体における割合が最も高くなるため、経済学を避けての合格はあり得ません。

出題の形式は大きく分けて3つに分かれており、文章問題(記述の中から妥当なものを選択)、グラフ問題(図に関する記述から妥当なもの選択)、計算問題となっています。

公務員試験の経済学の頻出分野

公務員試験の経済学の頻出分野は、ミクロ経済学においては全体的に消費者理論と生産者理論が頻出しています。

国家一般職や市役所上/中級でミクロ貿易論が出題されることはあまりありません。

マクロ経済学では、全体的に国民所得の決定や計算問題の乗数理論から出ている傾向があります。

地方上級と市役所上/中級ではGDPの出題率が高いですが、国家総合職と国家一般職で出されることはあまりありません。

このように、受験する公務員試験の種類ごとに頻出範囲は異なります。

これに対応するためには、公務員試験のことを徹底的に研究している予備校で学ぶか、過去問500などの問題集で傾向を把握しておくのがおすすめです。

公務員試験の対策をしっかりできるおすすめの予備校はこちらの記事でまとめています。

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公務員試験の経済学の難易度

難易度については、国家総合職はかなり難しい計算問題が出される傾向があります。

他の試験種と比べても全ての科目の中で経済学の難易度はトップレベルのものになります。

しかし、しっかりと基礎を固めて問題の出題パターンを覚えておけば確実に点数を取れる科目ともいえます。

国家公務員総合職以外の職種では、難易度は並です。ちゃんと勉強すれば得点できる科目といえます。

ミクロ経済学とマクロ経済学とでは、マクロ経済学のほうが理解しやすくとっつきやすいと言われていますね。

ミクロ経済学のほうが身近なテーマを扱うのですが、簡単なのはマクロだからです。

なので、僕の場合は先にマクロ経済学を勉強して、そのあとにミクロ経済学を勉強しました。

勉強の方針について、ミクロ経済学では消費者理論と生産者理論、マクロ経済学では国民所得の決定と乗数理論、この分野から経済学の半分以上の問題が出題されます。

ここが経済学の柱ともいえる部分になりますので、まずはこの分野から徹底して勉強することです。

公務員試験の経済学の勉強法

確実に点数を取る為の勉強法としては、まずは最低限必要となる計算式を覚えることです。

主に使われる計算式は四則演算・分数, 少数・指数・関数・微分・増分法となっており、この計算式を正しく理解していればほとんどの経済学を解くことができます。

あとはパターンで過去問を覚えていけば、いつのまにか点数を取ることができるようになりますよ。

いきなり過去問を解くのが難しい場合、次に紹介する参考書などで基礎を勉強してから過去問に取り組むといいでしょう。

ただ、最初は考え方を理解するまでに時間がかかるかもしれません。

こうした基礎の部分は特に、予備校などで講義を受けたほうが理解が早いです。

公務員試験の経済学の参考書

公務員試験の経済学を学ぶ上でおすすめの参考書を紹介します。

公務員試験最初でつまずかない経済学

経済学の基本となる数学部分を丁寧に解説しており、基本からしっかりと勉強したい人にお勧めです。

教養試験レベルから専門レベルまで幅広い解説がされおり、これから勉強を始める方にもピッタリです。

試験攻略入門塾速習!マクロ経済学

マクロ経済額は、グラフの読み取りが理解できずに苦しむ方が多いです。

しかし、こちらの参考書では分かりやすい解説がされており、数学が苦手な方にもおすすめできます。

過去問題も多数収録されていますので点数アップに繋がりますよ。

公務員試験新スーパー過去問ゼミ5ミクロ・マクロ経済学

公務員試験で絶対的な評価を得ている過去問題集となります。

僕もスー過去にはお世話になりました。

要点整理→基礎問題→発展問題という構造で学習することができることに加えて、詳しい解説が載っているのでより深い理解ができます。

公務員試験の経済学の過去問

公務員試験の経済学の過去問は、こんな感じの問題が出ます。

小国 A における X 財の需要関数及び供給関数が次のように示されている。

D=450-2P S=3P-100 (D:需要量、S:供給量、P:価格)

また X 財の国際価格は 50 であり、当初は自由貿易が行われていた。ここで、A 国において政府は、国内の X 財

の生産者を保護するため、X 財の輸入数量を 200 に制限することとした。

このとき A 国において輸入制限を行ったことにより発生する死荷重の大きさはいくらか。

1 450

2 600

3 750

4 900

5 1000

正答 5

総供給曲線と総需要曲線に関する A~D の記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

ただし、総需要曲線は、IS-LM モデルから導かれるものとする。また、物価および利子率を縦軸に取り、生産量、

総供給量および総需要量を横軸にとって考察するものとする。

A ケインジアンは、賃金などの下方硬直性を想定するため、物価は変化しないとしている。このため、総供給

曲線は、完全雇用、不完全雇用のいずれの状況においても水平となる。

B 新古典派は、経済全体の供給量は、完全雇用に対応した完全雇用 GDP の水準になるとする。このため、供給

量は物価に依存せず、総供給曲線は完全雇用 GDP の点で垂直となる。

C IS 曲線が右下がりであり LM 曲線が右上がりである場合、政府支出が拡大すると、IS 曲線が右方へシフト

するため、総需要曲線も右方へシフトする。

D 経済が流動性の罠の状況にあり、かつ IS 曲線が右下がりである場合、物価が下落すると LM 曲線は右方へ

シフトするが、国民所得には影響を与えない。このため、総需要曲線は水平となる。

1 A、B

2 A、C

3 B、C

4 B、D

5 C、D

正答 3

専門用語がバシバシ出てきますよね。

でも、上記の問題が理解できなくても大丈夫です。

予備校で先生の講義をしっかり聞くことでバッチリ理解できるようになります。

独学での場合はコツを掴むまではかなり努力が必要です。

全く経済学の勉強経験がない人は、予備校などで解説を受けながら勉強したほうが、公務員試験に合格できる確率は上がると思いますよ。

公務員試験の対策をしっかりできるおすすめの予備校はこちらの記事でまとめています。

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